シスプラチン(プラトシン/ブリプラチン/ランダ) Cisplatine プラチナ製剤抗がん剤の種類            
抗がん剤の特徴
  シスプラチンは1960年代に大腸菌の細胞分裂を抑制するという偶然の発見から抗がん剤への応用が考えられ,開発されたプラチナ製剤です。

 この抗がん剤の作用機序はがん細胞の2本のDNA鎖を結合することにより,DNAの複製を阻害し,がん細胞を死滅させるというものです。

 現在,多くのがんに有効性が認められ,最も広く使用されている抗がん剤の一つです。

 シスプラチンは抗がん効果が大きく,他の抗がん剤の作用を強めるという反面,副作用もまた強く,その毒性をいかに弱めるかが今後の課題でもあります。

 その後毒性を弱めた,カルボプラチンやネダプラチンなどのプラチナ製剤が開発されています。

抗がん剤治療の対象となるがん
  多くの種類のがんに併用療法で使用されます。頭頸部がん,食道がん,肺がん,胃がん,精巣腫瘍,膀胱がん,腎盂・尿管腫瘍,前立腺がん,卵巣がん,子宮頸がん,骨肉腫,胚細胞腫,肝細胞がん,再発または難治の悪性リンパ腫,小児の固形がんなど。

投与方法
 注射剤で,多くの場合静脈内に投与します。肝臓がんでは動注療法で使用され,腹腔や胸腔に投与することもあります。

抗がん剤の副作用
 シスプラチンの使用により,排尿障害や重い腎臓機能障害を引き起こすことがあります。骨髄抑制も見られ,感染症や貧血,出血傾向などに注意が必要です。

 神経に対する毒性もあり,難聴・耳鳴り,視神経炎が起こることもあります。

 吐き気・嘔吐は,抗がん剤のなかでも最も高頻度でみられますが,近年では,制吐剤によりかなり抑えられるうになりました。

 その他の副作用として,食欲不振や脱毛,全身倦怠感,アレルギー反応なども,しばしばみられます。

 また,まれに脳梗塞や心筋梗塞も起こることがあります。
 

使用上の注意
 シスプラチンは腎毒性があるため,その障害を軽減するため,十分な水分補給が必要です。
 
 また,検査により,腎臓機能が不良の人の場合は使用できません。

 高度な肝機能低下のある人も,原則としてこの抗がん剤による肝動注化学療法は受けられません。

 この抗がん剤は他の抗がん剤や放射線療法と併用した場合,副作用が増強されることがあります。

 パクリタキセルとの併用では末梢神経障害が強まることがあり,本剤をパクリタキセルより先
に投与すると,骨髄抑制が増強する場合があります。

 また,アミノグリコシド系抗生物質との併用では,腎臓や聴覚障害を増強させるなど,抗がん剤以外にも注意すべき併用薬があるので,医師・薬剤師によく確認してください。

 妊婦または妊娠している可能性のある人は使用できません。授乳は控えてください。

 
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