シタラビンオクホスファート(スタラシド)CytarabineOcphosphate代謝拮抗剤 − 抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
抗がん効果を発揮する機序はシタラビンと同じですが,この抗がん剤は体内に入ってから効果を発揮するプロドラッグです。 DNAポリミラーゼの機能を阻害して,DNA合成を妨げるピリミジン系の代謝拮抗剤の一つです。 シタラビンは白血病治療の中心薬ですが,不活性化酵素の働きにより。早い段階で分解されやすいという性質があります。 この抗がん剤は肝臓で代謝されてシタラビンに変化し,徐々に血液中に放出されるため,長時間にわたり作用が持続するという特徴があります。 また,60歳以上でも有効性が認められるという報告はありますが,延命効果が高まるかどうかについては明らかになっていません。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
急性骨髄性白血,骨髄異形成症候群の治療に使われます。 この抗がん剤は2〜3週間連日服用しないと効果があらわれないので,白血病の寛解導入療法などの強力な化学療法が必要な場合には用いられません。 |
投与方法 |
カプセルの内服剤として経口投与されます。一般的には1日の投与量を1〜3回に分け,2〜3週間にわたり,食後に投与します。 |
抗がん剤の副作用 |
重篤な副作用としては骨髄抑制や間質性肺炎がが起こることがあります。骨髄抑制が起こると 発熱や寒け,下痢,血尿などの感染症の兆候ががあるので注意してください。 間質性肺炎では,たんをともなわないせきや,息切れなどの初期症状が見られますので,このような症状が見られたらすぐに医師に相談してください。 吐き気・嘔吐,口内炎などの消化器症状がよくみられるほか,肝臓や腎臓の機能低下,発疹,倦怠感,脱毛などが起こることもあります。 |
使用上の注意 |
骨髄機能が低下している人や感染症にかかっている人はこの抗がん剤の作用により症状が悪化する可能性があります。 また,肝障害のある人は,副作用が強くあらわれる恐れがあります。 動物実験で催奇形性が報告されているので,妊娠中の使用は避けることが望ましく,授乳は控えてください。 |
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