ダカルバジンDacarbazineアルキル化剤 − 抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
がん細胞のDNAの複製を阻害するアルキル化で,悪性黒色腫(メラノーマ)やホジキン病(悪性リンパ。腫)などの治療に使われます。 ホジキン病では,現在標準治療となっているABVD療法=ドキソルピシン・ブレオマイシン・ビンブラスチン+ダカルバジンのほか,AVD療法=ドキソルビシン・ビンブラスチン・ダカルバジンなどで使われます。 悪性黒色腫では,単独投与以外にも,DAV療法=ダカルバジン・ニムスチン・ビンクリスチンや,それにインターフェロンβを加えたDAV−フェロン療法,DACTam療法=ダカルバジン・ニムスチン十シスプラチン・十タモキシフェン等が行なわれます。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
この抗がん剤は悪性黒色腫,ホジキン病で保険適用となっています。また,保険適用外ですが,神経芽腫,軟部肉腫などで使用されることもあります。 |
投与方法 |
本抗がん剤は白い結晶性粉末で,注射液に溶解させて,静脈注射します。 |
抗がん剤の副作用 |
シスプラチンと同様に,強い吐き気,おう吐があらわれる抗がん剤として知られています。通常,吐き気・嘔吐があらわれるのは,投与後1〜6時間後で,ときには24〜36時間以上続く場合もあります。 その他,注射部位の血管痛や静脈炎,肝機能障害,脱毛,発疹,全身倦怠感,発熱や頭痛などがみられることもあります。 重い副作用としては,まれに、高度の骨髄抑制すなわち出血傾向・貧血・感染症に対する抵抗力の低下等や,アナフィラキシーショック,重い肝障害などが起こることが報告されています。 また,この抗がん剤を長期間使用した患者のなかに,骨髄異形成症候群や白血病を引き起こしたとの報告があります。 なお,骨髄抑制は,多くの場合,投与してから約2〜3週間後に最も強くなり,その後約1〜2週間で回復します。 |
使用上の注意 |
この抗がん剤は光が当たると分解しやすく,遮光すると血管痛が軽減するという報告もあります。そのため,投与時には,遮光カバーがかけられるので,点滴が終わるまでカバーを外さないようにしましょう。 動物実験で催奇形性が報告されているので,妊娠中または妊娠している可能性のある人は使用できまず,授乳中の人は授乳を中止してください。 また,長期間にわたる使用で,急性白血病や骨髄異形成症候群,固形がんなどの二次がんが発生したケースがあります。 |
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