ダウノルビシン(ダウノマイシン)       Daunorubicin   分類 抗がん性抗生物質  
        
   
抗がん剤の特徴
 ダウノビルシンは放線菌が産生するアントラサイクリン系の抗生物質です。

 この抗がん剤はDNAのらせん構造の間に入りこみ,DNAの合成を阻害するとともに,酵素の作用を抑制して,DNAを切断することでがん細胞を破壊します。

 ドキソルビシンと,よく似た性質を持ち,急性白血病の第一選択薬とされています。

抗がん剤治療の対象となるがん
  急性白血病や慢性白血病が急性転化したときに使用されます。小児の悪性リンパ腫に使われることもありますが、日本では保険適応となっていません。

投与方法
 静脈内にワンショットか点滴で投与します。

抗がん剤の副作用
 この抗がん剤はアントラサイクリン系の薬剤であり,心臓障害を引き起こしやすいという特徴があります。

 総投与量が多くなるにつれ,発生頻度も高く,症状も重くなります。

 骨髄抑制はよくみられ,それにともなって感染症や貧血,出血傾向などが起こりやすいため,注意が必要です。
 
 その他の副作用として,吐き気・嘔吐,口内炎,脱毛などもよく見られ,その他,頭痛や倦怠
感,発熱,悪寒,発疹などが現れることもあります。 

 まれに,ショックやネフローゼ症候群が引き起こされることもあります。

使用上の注意
 ダウノルビシンは,薬剤が外部にもれ,皮膚に接触すると,を起こしたり,皮膚に潰瘍ができることもあるので,点滴中はできるだけ体を動かさないよう注意してください。

 心臓の機能に異常があったり,その既往歴のある人は本抗がん剤の使用はできません。

 また,他のアントラサイクリン系など,心臓障害を起こす可能性のある抗がん剤で治療し,投与量が限度にまで達している人も使用できません。

 動物実験で胎児への毒性が報告されているため,妊娠中または妊娠の可能性がある人は医師に相談してください。

 また,授乳は控えてください。
 
 
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