デキサメタゾン Dexamethasone ホルモン剤−抗がん剤の種類 (オルガドロン/セルフチゾン/デカドロン/デキサ・ママレット/デキサート/デキサメサゾン/ヒフメタ/プロメタゾン/メインベート/メサデルム/メサドロン) |
抗がん剤の特徴 |
デキサメタゾンは人工的に合成された副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の抗がん剤です。 抗炎症作用が強力で,抗アレルギー作用があり,免疫性疾患など多くの病気の治療に使われています。 プレドニゾロンも同様の副腎皮質ホルモン剤ですが,デキサメタゾンの方が体内の滞留時間が長く,抗炎症作用も長いといわれています。 がんの治療では,抗がん剤の副作用に対する支持療法で使用される他,がん細胞のアポトーシスを導く作用があることから,白血病など血液の抗がん剤として使用されます。 多発性骨髄腫では,VAD療法=ピンクリスチン・ドキソルビシン・デキサメタゾンの併用療法として使われています。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
急性白血病,慢性骨髄性白血病の急性転化,慢性リンパ性白血病,多発性骨髄腫,悪性リンパ腫,乳がんの再発転移,他の治療法が無効な場合の前立腺がんが対象です。 |
投与方法 |
内服薬,塗り薬,注射剤があります。 |
抗がん剤の副作用 |
ステロイド剤特有のムーンフェイス(顔がまるくなる)症状や,多毛,消化性潰瘍や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)うつ病,緑内障,糖尿病などを引き起こすこともあります。 また,免疫機能低下による感染症,血圧上昇,血液中のカリウムやカルシウムの低下,むくみなどもみられます。 外用薬では,皮膚の乾燥やかゆみ,赤み,発疹,皮膚が薄くなるなど皮膚の異常も見られます。 そのほか,急に使用を中止した場合のショックや発熱などの症状,大量投与による,静脈血栓のリスクもあります。 |
使用上の注意 |
長期投与した場合は,免疫力が低下するので,感染症に対する注意が必用であり,また,感染者への接近は避けてください。 この抗がん剤の成分で過敏症を起こしたことのある人は使用できません。 また,有効な治療薬がない感染症や全身性の真菌症,消化性潰瘍の患者も,原則として使用できません。 外用剤では,皮膚に潰瘍や凍傷などがある場合も使用が禁じられている他,使用が禁止または制限される場合があるので,医師や薬剤師に確認してください。 アスピリンなどのサリチル酸系の消炎鎮痛剤,利尿剤,血糖降下剤,マクロライド系の抗生剤などは,副作用が大きくなることがあり,注意が必要です。 妊婦または妊娠の可能性がある人は医師に相談し,授乳は控えてください。 |
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