ドセタキセル (タキソテール)   Docetaxel      分類 植物アルカロイド             
抗がん剤の特徴
 1980年代にフランスの製薬会社とフランス国立科学研究所が共同開発した植物アルカロイド系抗がん剤です。

 パクリタキセルと同様に針葉樹セイヨウイチイから抽出した成分をもと半合成された薬剤で,タキサン系に分類されます。

 細胞分裂に関与する微小管の形成を阻害して,がん細胞を破壊すると考えられています。
 
 日本では1991年から行われた臨床試験により1996年に承認された,転移・再発乳がんや進行非小細胞肺がんの標準治療薬の一つです。

 また,世界規模での臨床試験で,胃がんや食道がん,頭頚部がんなどへの有効性が証明されています。

抗がん剤治療の対象となるがん
 乳がん,非小細胞肺がん,胃がん,頭頸部がん,卵巣がんに使用されますが,この中では特に乳がんに有効とされ,手術の前後に補助療法として用いられています。

 そして,2004年以降,食道がんや子宮内膜がんにも承認されました。

投与方法
 黄色の注射剤で,通常は1日1回,1時間以上かけて静脈内に投与します。

抗がん剤の副作用
 重篤な骨髄抑制はしばしば起こることがあります。神経障害は,パクリタキセルよりは軽度ですが見られます。

 この抗がん剤の特徴として,体液がたまりやすく,副作用として,浮腫(むくみ),肺水腫,胸水,心タンポナーゼ(心膜腔への体液の貯留)などのおそれもあります。

 その他の副作用としては,下痢・嘔吐,食欲不振,口内炎などの消化器症状や,脱毛,発疹などがよくみられます。

使用上の注意
 骨髄抑制のために,感染症には十分に注意し,発熱や悪寒がでたらすぐに医師に報告してください。

 また,しばしば,腹痛をともなう下痢が見られることがあります。下痢になりやすい体質の人は,事前に医師に伝えておきましょう。

 重い骨髄抑制のある人や感染症を合併している人は使用できません。

 また,ドセタキセルには,乳化剤ポリソルベートが含まれていますので,これに過敏症を起こしたことのある人も使用できません。

 ミコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬,免疫抑制薬のシクロスポリンなどとの併用では副作用が増強する可能性があり,注意が必要です。

 動物実験で催奇形性が報告されているため,妊娠中の女性は使用できません。男性も避妊が必要です。また,治療中は授乳を控えてください。
 
末期がんでもあきらめない! 世界が認めた抗ガン漢方薬! サンプル無料!
 
  
 
 植物アルカロイド・抗がん剤一覧のページへもどる