フルダラビン(フルダラ)Fludarbine代謝拮抗剤 − 抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
フルダラビンはアメリカ国立がん研究所で開発され,1980年代に入りこの研究をシエーリング社がこれを引き継ぎ,承認されました。 この抗がん剤はDNAやRNAの合成を促進する酵素の機能を阻害することで,がん細胞の増殖を抑制します。 慢性リンパ性白血病の治療効果が大きく,国内だけでなく,全世界で広く使用されています。 日本ではこれまでの慢性リンパ性白血病に続いて,2007年からはこの抗がん剤の錠剤が低悪性度非ホジキンリンパ腫の治療薬として承認されています。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
この抗がん剤の注射剤は慢性リンパ性白血病に適応されます。 ただし,貧血または血小板減少症をともなう場合か,他の抗がん剤で治療中で,標準的なアルキル化剤を含む抗がん剤治療が効かなかった人に限られます。 また,錠剤は悪性リンパ腫に使用されます。 |
投与方法 |
注射剤は5日間続けて静脈に点滴します。錠剤も1日1回5日間連日経口投与し,23日間休薬します。 |
抗がん剤の副作用 |
この抗がん剤は好中球や血小板が減少する骨髄抑制が現れやすく,感染症や出血傾向には注意が必要です。 さらに,重篤な副作用として,間質性肺炎,腫瘍崩壊症候群,錯乱,昏睡,けいれん等をともなう重度の精神神経症状,自己免疫性溶血性貧血,出血性膀胱炎,皮膚粘膜眼症候群などの皮膚障害,心不全などが報告されています。 この中で,腫瘍崩壊症候群では初期には腹部の痛みや血尿などが見られ,さらに進行すると腎不全や高カリウム血症等をともないます。 その他の副作用としては,叶き気・嘔吐等の消化器症状。発熱や疲労感などが比較的よくみられます。 また,ときに視神経炎や視力障害,帯状庖疹等が現れることがあります。 |
使用上の注意 |
骨髄抑制によるリンパ球減少が長引いて免疫不全状態が続いた場合には,特にに感染症に注意する必要があります。 この抗がん剤では,錠剤でも注射剤と同様の注意が必要です。 また,重度の腎障害がある人やこの抗がん剤によって溶血性貧血を起こしたことのある人は使用できません。 ペントスタチンとの併用は肺毒性により,致命的な肺疾患が起こる恐れがあるので,できません 胎児に対する毒性や催奇形性が報告されており,妊婦または妊娠の可能性がある人は使用できません。授乳は控えてください。 |
抗がん剤一覧のページへもどる |