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抗がん剤治療においては,患者の延命効果やがんの縮小効果,症状の緩和効果が臨床試験で明らかになり,かつ副作用も強すぎない薬剤が標準治療薬となります。
現在では,抗がん剤治療では,複数の抗がん剤を併用する場合が多く,標準治療薬と呼ばれても,多くは抗がん剤の併用療法を意味します。
この標準治療薬の中で,一次選択薬と呼ばれるものがあります。これは他の薬剤と比較して,延命効果が高い,副作用が少ないなどの特徴が認められているものです。
しかし,抗がん剤の効果や副作用は個人差が大きく,すべての患者にこの一次選択薬が効果が大きいとは限りません。また,副作用がとても大きくなることもあります。
さらにがん細胞が耐性を獲得して,薬剤の効果がなくなる場合も,数多くあります。このような場合に選択されるのが,二次治療薬です。
二次治療薬とは,治療効果が一次治療薬と同等以下である,あるいは治療効果が高いものの副作用が強いなどの理由から,最初から使われないものです。
しかし,前述したように抗がん剤の効果は個人差が大きいため,この二次治療薬の方が効果が大きい場合もあります。
最近では分子標的治療薬の登場により,従来の抗がん剤にかわり,この薬剤が一次選択治療薬になるケースも増えています。
たとえば,肝臓がんなどはこれまで有効な抗がん剤がなく,標準治療も確率していませんでいた。
しかし,分子標的治療薬,ソラフェニブ(ネクサバール)が肝切除不能の場合の一次治療薬として推奨されています。
また,肺がん治療ではがん細胞のEGFR遺伝子変異が陽性の場合,イレッサを一次治療薬として使うことが推奨されるようになっています。
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