イリノテカン (カンプト/トポテシン) Irinotecan 分類 植物アルカロイド |
抗がん剤の特徴 |
イリノテカンは1983年に日本で開発された植物アルカロイドの抗がん剤です。 カンレンボクという木から抽出された物質カンプトテシンを化学合成してつくられます。 作用機序はDNAにはたらく酵素トポイソメラーゼを阻害することで,がん細胞の増殖を抑えます。 多くのがんの治療に用いられ,その抗がん効果の有効性も確認されていますが,副作用もまた強く,重篤な副作用もみられます。 代表的な治療法として,FOLFILI法=フルオロウラシル・レボホリナートカルシウム・イリノテカンがあり,現在では,このように多剤併用法の一つとして使用されるケースが多くなっています。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
小細胞肺がん,非小細胞肺がん,子宮頸がん,卵巣がん,皮膚がん,悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)に使用されます。 胃がん,大腸がんでは手術不能の場合や再発の場合に使用されます。 |
投与方法 |
点滴で静脈に投与します。この抗がん剤は光により分解されやすいので,点滴全体を遮光します。 |
抗がん剤の副作用 |
イリノテカンは効果と引き替えに副作用も強く,重篤なものとして,間質性肺炎,腎不全,腸管まひなどがあります。 骨髄抑制も高頻度で現れ,それによって,貧血,敗血症などの重い感染症が引き起こされる可能性もあります。 また,下痢や腸炎もよく見られ,下痢は投与直後にみられる場合と1日〜1週間後に現れる場合があり,特に後者の場合は生死にかかわるケースもあります。 その他の副作用としては吐き気・おう吐,脱毛が半数以上の患者に見られる他,食欲不振,腹痛などもあります。 |
使用上の注意 |
骨髄抑制が出やすい抗がん剤なので,それによる感染症や貧血,などに注意しましょう。 特に,骨髄抑制による白血球の減少は治療をはじめて,3週間ごろがピークとなりますので,38度以上の熱やせきなどの症状に注意してください。 腹水や胸水,黄疸がある人への投与はこれらを悪化させるおそれがあり,使用できません。 下痢をしている人や腸管まひ,腸閉塞のある人は使用できません。 また,エイズ治療薬アタザナビル,マクロライド系抗生物質,アゾール系抗真菌剤との併用は下痢や骨髄抑制などの副作用を増強する可能性があります。 動物実験で催奇形性が指摘されているので,妊娠中または妊娠の可能性がある人,授乳中の人は医師に相談してください。 |
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