リュープロレリン(リュープリン) Leuprorelin ホルモン剤−抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
リュープロレリンは脳の視床下部から産生されるLH−RH (性腺刺激ホルモン放出ホルモン)に似た化学構造を持っています。 この抗がん剤は下垂体のLH−RHレセプターと結合してLH−RHをブロックし,男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を低下させることで,抗腫瘍効果を発揮します。 当初は避妊薬・不妊症治療薬として開発が進められましたが,その後,性ホルモンの分泌 抑制効果が発見され,抗がん剤として認められるようになりました。 現在,世界の約70カ国で使用され,日本国内では1992年に,前立腺がんの治療薬として承認され,その後は閉経前乳がんの治療薬としても認可されました。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
主に前立腺がんや閉経前乳がんが対象です。前立腺がんに対する治療効果は,精巣摘出と同等とされています。 乳がんでは、エストロゲン受容体(ER)陽性の場合が対象で,夕モキシフェンと併用されることもあります。 |
投与方法 |
注射剤で, 粉末と液体がセットになり,使用前に両方を混ぜ,通常成人は4週間に1回皮下に注射します。 なお,リュープリンSRでは12週間に1回の投与となり,患者の負担も軽減されています。 |
抗がん剤の副作用 |
ホルモン剤なので副作用は軽いといわれていますが,乳がんでは,更年期障害に似た,多汗,ほてり,発疹,肩こり,頭痛,不眠,うつ状態などがみられます。 また,エストロゲン(卵胞ホルモン)の低下による骨中カルシウムの低下が指摘されています。 まれに,間質性肺炎やアナフィラキシー症状,肝臓障害,黄疸,などが起こることがあり ます。 前立腺がんの治療では,治療開始時に一時的にテストステロンの分泌が上昇することがあり,痛みや尿路閉塞がみられることがあります。 |
使用上の注意 |
初回投与時に,一時的にホルモン分泌が盛んになり,骨に痛みを感じる場合があり,そのような場合には,すぐに医師に相談してください。 合成LH−RH,L H-RH誘導体に,過敏症の既往歴のある人は使用できません。 妊娠中または妊娠している可能性のある女性は使用できません。 またこの抗がん剤使用中は,男女ともに避妊する必用があります。授乳は控えてください。 |
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