メドロキシプロゲステロン Medroxyprogesterone  ホルモン剤抗がん剤の種類 
  
(ヒスロンH/プロゲストン)           
抗がん剤の特徴
  プロゲステロン(女性ホルモン)に似た構造を持つ,合成黄体ホルモン剤で。天然のホルモ
ンに近い自然な作用をもっています。

 体内で情報伝達を行うことで,細胞や臓器のはたらきをコントロールし,通常は月経異常や不妊症などの治療に用いられます。

 ただし,この抗がん剤は大量に使用すると,抗エストロゲン作用などにより,がん細胞の増殖を阻害します。

 特に閉経後の乳がんに使用される他,子宮内膜がんや前立腺がん,腎臓がんに使用されることもあり,他剤によるホルモン療法が効かなくなった場合に,使用されるケースが多いといえます。

抗がん剤治療の対象となるがん
  エストロゲン依存性の乳がんや子宮体(子宮内膜)がんに使用されます。子宮体がんに対しては,大量に用いる必要はないとされています。

投与方法
  錠剤の内服薬で,通常成人は1日の投与量を2〜3回に分け,経口投与します。

抗がん剤の副作用
 一般的な副作用としては,乳房痛や月経異常,性器出血,吐き気・嘔吐,肝臓障害,脱毛・多毛,発疹,体重増加,頭痛,むくみ,しびれなどが起こることがあり,また,ムーンフェイスといって顔が丸くなる場合もあります。

 服用当初はき気・嘔吐などが,みられやすいといえますが,多くの場合は2〜3か月で症状が軽くなります。

 注意すべき副作用としては,血栓症があり,脳梗塞や心筋梗塞,肺塞栓症などがみられることがあります。

 さらにうっ血性心不全やアナフィラキシーショック,視力の低下・視力の喪失が起こることもあります。

使用上の注意
 
 他のホルモン剤(黄体ホルモン,卵胞ホルモン,副腎皮質ホルモン)等との併用は血栓症を引き起こす可能性があり,注意が必要です。
 
 脳梗塞,心筋梗塞,血栓静脈炎などの血栓性疾患やその既往歴のある人は使用できません。

 重い肝臓障害のある人も使用できません。l

 妊娠中または妊娠の可能性がある人は医師に相談する必要があります。また,授乳は控えてください。
 
 
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