マイトマイシンＣ　　ＭitomycinC　　　　　　　分類 抗がん性抗生物質

抗がん剤の特徴

マイトマイシンＣは１９５０年代に抗がん効果のある放線菌由来のマイトマイシンＡ，Ｂに続いて開発された抗がん剤です。 　抗生物質が抗がん剤として使用されることになった初期の代表的薬剤として有名です。 　酵素による還元を受けて，複数の活性代謝物となり，ＤＮＡの分裂抑制や，活性酸素による ＤＮＡ鎖切断などにより，ＤＮＡの合成を阻害し，抗がん効果を発揮します。

抗がん剤治療の対象となるがん

慢性骨髄性白血病，慢性リンパ性白血病，大腸がん，肺がん，膵臓がん，肝臓がん，子宮がん，乳がん，膀胱がんなど，多くのがんに使用されます。

投与方法

青紫色の注射剤で，通常は静脈内に，一定期間ごとか，あるいは毎日連続投与します。 　静脈以外では，動脈，髄腔内，胸腔内，副腔内，膀胱内に投与される場合もあります。

抗がん剤の副作用

マイトマイシンＣは抗がん剤のなかでも，強い骨髄抑制が起こりやすい薬剤です。 して知られています。 　 　腎臓障害も起こしやすく，軽度な場合が多いといえますが，まれに溶血性尿毒症症候群や微 小血管症性溶血性貧血，急性腎不全などがみられることがあります。 　 　重篤な副作用として，間質性肺炎・肺線維症，アナフィラキシーショック，肝臓・胆道障害などが，報告されています。 　 　その他の副作用として，吐き気・おう吐，食欲不振，全身倦怠感，脱毛などがあります。

使用上の注意

強い骨髄抑制による感染症や貧血，出血傾向に注意してください。 　点滴中に抗がん剤が，皮膚に接触すると，皮膚炎や壊死性の潰瘍ができることもあります。点滴中はできるだけ体を動かさないよう注意してください。 　肝臓や腎臓に障害のある人は，副作用が強く出る場合があります。 　他の抗がん剤や放射線治療と併用した場合，副作用が増強することがあります。 　ビンカアルカロイド系の抗がん剤と併用すると，息切れや気管支痙攣が起こることがあります。 　動物実験で催奇形性が報告されている為，妊婦または妊娠している可能性のある人は医 師と相談してください。授乳は控えてください。

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