ペプロマイシン　　Ｐeplomycin　　　　　　　分類 抗がん性抗生物質

抗がん剤の特徴

ペプロマイシンはブレオマイシンの誘導体すなわちプロドラッグです。 　１９６０年代に日本で開発されたブレオマイシンは肺毒性が強いという問題がありました。 　この肺への毒性を軽減した抗がん剤として開発された薬剤がペプロマイシンです。 　作用機序はブレオマイシンと同じで，がん細胞のＤＮＡ合成阻害およびＤＮＡ鎖の切断作用によって，がん細胞を死滅させます。 　またブレオマイシン同様に骨髄抑制があまり見られないという共通点があります。 　効果は，ブレオマイシンと同等とされていますが，抗がん効果の範囲はブレオマイシンより広いという特徴があります。

抗がん剤治療の対象となるがん

皮膚がん頭頚部がん肺がん、前立腺がん、悪性Ｊンパ腫などに用いられます。

投与方法

注射剤で，静脈，動脈，または筋肉のいずれかに通常は１週間に２〜３回程度投与します。

抗がん剤の副作用

ブレオマイシンより肺毒性が軽減されたとはいえ，毒性が完全になくなったわけではなく、 間質性肺炎や肺線維症を起こすことがあり，注意が必要です。 　また，まれにアナフィラキーショックを起こすことがある点も，ブレオマイシンと同様です。 　 　その他の副作用として，皮膚や爪が黒ずむなどの色素沈着や皮膚の肥厚，爪の変形等，皮膚症状がよくみられます。 　その他，口内炎や食欲不振，吐き気・嘔吐などの消化器症状や脱毛，発熱，悪寒，全身倦怠感なども比較的起こりやすい症状です。

使用上の注意

息切れやせきなどの症状がみられた場合には，間質性肺炎の兆候ともいえますので，すぐに医師に報告してください。 　また，重い肺機能障害のある人や重い腎臓機能障あるいは心臓疾患のある人は使用できません。 　胸部およびその周辺部への放射線治療を受けている人も使用できません。 　　 　動物実験で催奇形性が報告されている為，妊婦または妊娠している可能性のある人は医 師と相談してください。授乳は控えてください。

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