テガフール・ウラシル(ユーエフティー)

 Tegafur・Uracil  

 代謝拮抗剤 − 抗がん剤の種類

抗がん剤の特徴
 この抗がん剤は体内に入るとフルオロウラシルに変わるテガフールに,ウラシルを配合した薬剤です。

 ウラシル自体に薬効はありませんが,フルオロウラシルが分解されるのを抑制し,がん細胞内でフルオロウラシルの濃度を高く維持する機能があり,近年ではテガフールに代わる薬剤として,よく使用されます。

 この抗がん剤は一部のがんの併用療法として,海外の20カ国以上で承認されています。

 また,ホリナートカルシウムと併用するUFT/LV療法は,大腸がんの標準治療の1つである
5−FU/1−LV療法=フルオロウラシル・レボホリナートカルシウムと比較すると,同等の効果があり,経口投与なので,副作用の面ではより軽いといわれています。


抗がん剤治療の対象となるがん
 消化器系のがんを中心に幅広く使用されています。 頭頚部がん,胃がん,大腸がん,肝臓がん,胆嚢・胆管がん,膵臓がん,肺がん,膀胱がん,前立腺がん,子宮頚がん,乳がんに使用されます。

投与方法
 内服薬で,カプセル剤と顆粒剤があります。通常1日の投与量を2〜3回に分けて経口投与します。

抗がん剤の副作用
  この抗がん剤単体での使用は他の抗がん剤と比較すると軽いといわれています。下痢や口内炎はよく見られます。

 特にUFT/LV療法では激しい下痢や思い腸炎を起こすことがあります。

 一般に吐き気・おう吐,食欲不振,色素沈着が見られますが,骨髄抑制や肝臓への影響は少ない抗がん剤です。

 その他,間質性肺炎,急性腎不全,急性膵炎,嗅覚障害などが報告されています。


使用上の注意
 抗ウィルス剤ソリブジンやTS−1との併用は重いな骨髄抑制や,下痢などの消化器障害が増強するおそれがありますので使用できません。

  下痢が続くと体内の水分が減り,脱水症状の原因になります。下痢や腹痛などがあらわれたら,早めに医師に報告してください。
 
 TS−1の使用中止後も,この抗がん剤の影響が残るため,少なくとも7日間はこの抗がん剤は使用できません。

 抗てんかん薬のフェニトインや抗血栓薬のワルファリンカリウムと併用すると,これらの薬剤の作用が増強することがあります。

 催奇形性が報告されているため,妊婦または妊娠の可能性がある人は使用できず,授乳は控えてください。
 
 
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