ビンクリスチン (オンコビン)        植物アルカロイド抗がん剤の種類            
抗がん剤の特徴
  ビンクリスチンは1960年代はじめに,アメリカとカナダの研究者により,キョウチクトウ科のニチニチソウという植物に含まれる植物から抽出された抗がん剤です。

 ニチニチソウの旧学名はビンカロゼアといい,この系統の抗がん剤をビンカアルカロイド系と呼んでいます。

 この抗がん剤の作用機序は細胞分裂の時に,染色体を新しい細胞に転移させる微小管の機能を阻害することで,抗がん効果を発揮します。
 
 日本では1968年に承認され,他の抗がん剤との併用により,様々ながんの治療に用いられています。

 特に,小児のがんでは、最も多様される抗がん剤の1つとなっています。

抗がん剤治療の対象となるがん
 急性白血病,慢性白血病の急性転化,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,脳腫瘍(悪性星細胞腫,神経膠腫),それらに加え,神経芽腫,ウイルムス腫瘍,横紋筋肉腫,などの小児がん等に適応しています。

投与方法
  注射剤で通常は1週間に1回静脈注射します。1回の投与量は最大2mgまでとされています。

抗がん剤の副作用
 この抗がん剤は便秘がしばしば見られ,重くなると麻痺性腸閉塞(イレウス)を引き起こすことがあります。

 また,他のアルカロイド系薬剤同様,神経に障害を与えやすく,手足ののしびれ感や皮膚の感覚異常,言語障害などがみられます。

 症状が重い場合には筋肉まひや歩行困難などが起こり,抗がん剤投与を中止せざるを得ないこともあります。

 このような神経障害は,治療が終わり数週間から数か月で消失する場合もありますが,数年間にわたり続くこともあります。

 この他,骨髄抑制による生命に関わる感染症,錯乱や昏睡などの重い精神障害がみられることもあります。


使用上の注意
  抗がん剤が漏れて皮膚と接触すると漏出性皮膚炎を起こすので,点滴中はなるべく体をを動かさないょうにしましょう。

 脱髄性シャルコー・マリー・トゥース病(筋萎縮症状の神経の病気)がある人は使用できません。

 プラチナ製剤との併用では神経系の副作用が強まることがあり,マイトマイシンCとの併用で
は呼吸困難や気管支けいれんなどを発症しやすいとの報告があります。


 抗てんかん薬のフエニトインやL−アスパラキナーゼ(抗腫瘍酵素製剤)との併用では副作用が強まる可能性がありますので注意が必要です。
 
 動物実験で催奇形性が報告されている為,、妊婦または妊娠している可能性のある人は医
師と相談してください。授乳は控えてください。
 
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