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■ 腎臓の構造と発生件数

腎臓は,肋骨(ろっこつ)の最も下(第12胸椎)の内側あたり,横隔膜の下に左右1対あり,ソラマメのような形をしています。  腎臓の入り口は腎門といい,血管や尿管はここから腎臓へ入っていきます。

腎臓組織の最も外側はゲロタ筋膜と呼ばれる皮膜に覆われ,外側から3分の1を腎皮質,さらに3分の2を腎髄質といいます。

腎髄質は十数個の腎錐体と腎錐体の周囲の皮質からなっていて,1つの腎錐体と周囲の皮質を腎葉とよびます。

腎葉の中には,腎小体と尿細管からなるネフロンがあり,血液はまず腎小体の糸球体で濾過され,原尿となり,尿細管を流れて,ここで原尿に溶け込んだ水分や栄養分などが再吸収され,尿となって尿管から排出されます。

腎臓に発生する腎がんは発生する場所によって,腎細胞がんと腎盂がんに大別されますが,大人が罹患する悪性腎臓腫瘍のほとんどは腎細胞がんです。一般に腎臓がんという時は,この腎細胞がんをさします。

日本における腎がんの発生件数は年間1万人〜1万2千人程度で,約4千人が亡くなっています。罹患者数は年々増加しています。発症する年齢は40才〜60才代が多く,男性に多く発症しています。5年生存率は50〜60%程度です。
   
腎臓の構造と腎臓がん  スポンサードリンク
   
腎臓がんの原因

腎臓がんは主に尿細管の内壁の細胞の変異から発生することはわかっていますが,その原因ははっきりとはわかっていません。

ただ,フォン・ヒッペル・リンダウ病と呼ばれる遺伝性の病気は,まれな病気ではありますが,ある特定の毛細血管が異常な増殖をする病気であり,3番染色体のVHL遺伝子の異常が発現し,腎臓がんを誘発しやすくしていることがわかっています。

腎臓がんは北欧諸国に発生頻度が高く,アメリカの日系人の発生率が高くなっていることから,遺伝性だけでなく,生活環境の影響も考えられ,特に動物性脂肪の摂取も原因として考えられています。

統計学的には長期の喫煙者は非喫煙者の2倍〜4倍の罹患率を示しています。その他肥満やホルモンの分泌異常なども関係しているといわれていますが,血液透析をうけている患者は高い確率で腎臓がんを発症しており,定期的に検査を受けるなど注意が必要です。

アメリカの資料によれば,腎臓がんの発症リスクは,男性は女性の2倍,肥満者,動物性脂肪摂取過多,喫煙者,50才〜70才の高齢者,血液透析者,カドミウムなどの微量金属にさらされている人などが高いと報告されています。

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腎臓がんの症状

腎臓がんはかなり大きくなるまでは自覚症状が現れず,進行も比較的ゆっくりしたものが多く,がんの直径が5cm以下の場合,ほとんどが無症状です。しかし,症状が進行すると,血尿以外にも,わきばらに疼痛やこぶを感じるようになります。 

腎臓がんの主な症状は1)血尿 2)腹部のしこり 3)わき腹の痛みの3つです。



血尿

血尿は明るい赤色か,茶褐色をしていますが,血尿がでても少量の出血だと気づきにくいことが多く,しだいにはっきりとした血尿が出ますが,数日で止まることが多く,患者が血尿に気づいた時には腎臓がんが進行していることがしばしばあります。


腹部のしこり

腎臓の下部に発生したものや大きくなったものは外側から触れてもしこりとわかります。


わき腹の痛み 
わき腹に,不快感や鈍痛,圧迫感などがありますが,腫瘤が大きくなるにつれて痛みも強くなります。
腎臓がんによってできた血液の塊が詰まったり,炎症により痛みも増強し,末期になると強い痛みが続くこともあります。


発熱


患者の2〜5%程度の人に発熱の症状が見られます。

 また,まれではありますが,がん細胞が産生する物質により,赤血球増多症や高血圧,高カルシウム血症などが引きおこされることがあります
 
 その他,がんが進行すると,体重減少や貧血など,他の進行性のがんと同様の症状が見られるようになります。
   

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腎臓がんの検査

腎臓がんの診断では,患者の腹部を触診し,しこりがないかどうかを調べます。また,血液検査も行われ,血沈の異常,CRP陽性(C- リアクディブ・プロテインによる炎症診断),低蛋白血症,赤血球増多症,高カルシウム血症,肝機能異常などが認められますが,これだけで確定診断はできません。

腎臓がんの腫瘍マーカーは現在のところ確認できず,尿路造影法,超音波診断,CT検査,MRIなどの画像診断が最も有効とされています。


尿路造影法(腎孟造影法)
エックス線による造影検査は2種類あり,一つは静脈内に造影剤を注入し,腎臓から排泄されるときに,エックス線で撮影し,腎孟や腎杯の変形をとらえる方法です。

もう一つは,膀胱から尿管・腎孟内に細い管(カテーテル)を挿入し,造影剤を腎孟内に直接注入してエックス線で撮影し,腎孟や腎杯の変形をとらえる方法です。

超音波診断
超音波(エコー)診断は患者の肉体的負担がほとんどなく,かつ有効性の高い診断技術です。これは,腎臓がんのスクリーニング(ふるいわけ集団検診)の手段としても有効とされています。

また,腎臓がんだけでなく,腎臓の良性の腎血管筋脂肪腫,腎嚢胞などの診断にも有効とされています。

CT(コンピューター断層撮像法)

CTで得られる画像からは,腎臓の内部に生じた腫瘍の性質や広がりを正確に把握することができます。

また,腫瘍が腎臓の静脈をふさいでいるかどうかや,近くのリンパ節に転移しているかどうかも診断でき,この検査により,ほとんどの腎臓がんが確定診断されます。

MRI(核磁気共鳴断層撮像法)

CTにより,腎臓がんの診断はほぼ可能ですが,腎臓がんの周囲への浸潤度や,腫瘍による静脈塞栓な程度を調べるには,MRIがよりすぐれています。

したがって,CTとMRIを併用することで,腎臓がんの確定診断ができるだけでなく,より正確にがん病巣を把握できます。 

その他,腎盂尿管鏡,尿細胞診や内視鏡下の生検も行われます。 また,腎臓に検査で1つのがんが発見された場合, その腎臓の他の部位にも画像検査でも見つからないような小さながんが隠れている事があります。

これは衛星病変と呼ばれ,特に直径4cm以上の大きながんでは約10〜20%に見られます。   


腎臓がんのステージ(病期)

 TNM分類(T:腫瘍の進行レベル,N:リンパ節への転移レベル,M:他臓器への転移レベル)
病期 進行状態 治療法
1期 がんの大きさは7cm以下で,腎臓内にとどまっている。
切除手術(部分切除,全摘出、場合によっては周囲の組織とリンパ節も切除)が中心になる。

手術が困難な場合は動脈塞栓術(がんヘの血流を絶ちがんを餓死させる)を行うこともある。
2期 がんの大きさは7cm以上であるが,腎臓内にとどまっている。
3期 以下のいずれかである。

(1)リンパ節への転移が1ヵ所みられる。

(2)がんは主要な静脈,副腎,周囲の組織それに横隔膜に浸潤しているが,ゲロタ筋膜(腎臓や副腎などを包む外側の皮膜)を越えていない。

リンパ節に転移していることもある。
4期 a ゲロタ筋膜を越えて浸潤している。またはリンパ節への転移が2ヵ所以上ある。 上記の治療に加えて,インターフエロンを注入する免疫療法などがある(実験段階)。
対症療法,緩和療法を行う。
b
肺などへ遠隔転移している。


腎臓がんの治療

腎臓がんの治療の中心は外科手術であり,抗がん剤や放射線治療はほとんど効果がないと言われています。手術の他には動脈塞栓術や免疫療法もおこなわれています。


外科療法

腎臓は通常どちらか一方が残っていれば,もう一方の腎臓が2つ分のはたらきをするので特に問題はないとされ,原則として手術は腎摘出手術となります。
 
腫瘍径が大きい場合,腎周囲脂肪組織や周囲のリンパ節,同じ側の副腎をまとめて摘除する根治的腎摘除術を行ないます。

最近では,画像診断技術が進歩し,初期のがんが発見されることも多く,以前よりも腎臓の一部だけを切除する腎部分切除術が行われることが多くなりました。

これにより腎臓の機能は維持されますし,全摘出と比較して再発率や生存率に大きな違いはありません。

また,腎臓がんの場合は肺や骨に転移していても全摘手術を行います。それはもう一つの腎臓が機能するため,他の臓器の摘出よりも患者の受けるダメージが少なく,転移した部位の治療で完治することもあるからです。

最近では,施設によっては腹腔鏡下での腎部分切除術も行われるようになりましたが,病巣のある側の術後腎機能障害が発生する可能性も指摘されています。

まれに,両側の腎臓にがんが発生することがありますが,腫瘍の大きさにより,部分切除または両方の腎臓の摘出が行なわれます。この場合,術後に血液透析をしなければならなくなります。

最近では,早期の腎がんに対し,エコー(超音波)やMRIで腫瘍の位置を確認し,腫瘍内に針を刺入し,超低温ガスで凍結させたり,高温熱変性させ,がん細胞を殺すという最新治療をおこなう施設もあります。 

しかし,まだ成績のデータの蓄積も十分ではなく,この療法はまだ保険適応になっていません。


腎動脈塞栓術

既に述べたように腎臓がんの治療の中心は外科手術ですが,患者の体力が手術に耐えられない場合など,腎摘出術が不可能な場合に実施されます。
 
足のつけ根の内側にある大腿動脈からカテーテルを挿入し,その先を腎動脈まで進めて塞栓物質を注入し,腎動脈をふさぎ,がん細胞への血液供給を絶ち,がんを壊死させます。

また,塞栓術と同時に抗がん剤を動脈内に注入するケースもありますが,これによって一時的に腫瘍は縮小しても腎動脈以外の血管から腫瘍に栄養が供給されるようになるため,再び腫瘍は増大してしまいます。
 

抗がん剤治療

これまで腎臓がんには抗がん剤はあまり有効ではなく,化学療法は行なわれてきませんでしたが,分子標的治療薬が開発され抗がん剤治療も可能になってきています。2008年にソラフェニブとスニチニブが,2010年にはエベロリムスが認可され,新しい治療薬として期待されています。


放射線療法

放射線療法は腎臓がんにはあまり効かないといわれ,現在実施されることはほとんどありませんが,患者に体力的な問題があり,腎臓がんの摘出手術が困難な場合にのみ放射線治療などが行われる事があります。
 

免疫療法
腎臓がんに対しては免疫療法は効果が認められ,近年,様々な方法が考案され,効果を上げています。しかし,腎臓が1つでも2つ分機能することを考えると,手術が可能な場合は摘出する方法が確実といえ,免疫療法は手術が不可能な場合や再発を防ぐなどの補助療法として考えたほうがよいでしょう。 参考に当HPの免疫細胞療法をご覧ください。

腎臓がんにおいて,手術後の再発防止のための補助療法は,現在まだ確立されていません。

最近実施された無作為臨床試験では,初診時にすでに転移巣をもった患者に対して,最初に原発巣である腎臓を摘除したあと免疫療法を行なった群と,免疫療法をまず行なって効果があった患者のみに腎摘除術を行なった群との,二群間における生存期間を比較すると,前者のほうがよいという結果が報告されています。



腎臓がんの予後

腎臓内にとどまっている早期がんの5年生存率は90%以上ですが,がんの直径が5cm以上になると予後は悪くなります。

多くのがんは5年生存率が一つの目安となり,治療後5年経っても再発しなければ,治癒したとみなされますが,腎臓がんは治療後10年〜20年にわたり再発の可能性があります。

したがって退院後も定期的に通院し,血液検査,尿検査,エックス線検査,骨シンチグラフィー,腹部超音波検査などを受ける必要があります。

手術後は腸閉塞が起きやすくなります。その予防のために繊維質の多い食物をとり,また,再発予防のためにも,バランスのよい食事をこころがけましょう。