Q |
現在,抗がん剤治療を受けていますが,併用してこの治療法を受けられますか。 |
A |
可能です。抗がん剤治療の副作用としてリンパ球をも殺傷してしまい,免疫力低下を招きます。このような抗がん剤による免疫力低下を補うという効果を考えても,抗がん剤との併用は有効であると考えられます。
ただし,現在,一般的な基準量となる,副作用に耐えられる最大限の抗がん剤量の使用は,リンパ球の力を弱めてしまうことにもなります。したがって,抗がん剤投与の量を通常より控えめにすることや,投与のタイミングを抗がん剤とずらすことが必要になってきます。
また,放射線治療や手術との併用も可能ですが,いずれの場合も主治医との連携や協力が必要になり,医師によっては,このような治療を認めないケースもあるので確認しておくことも必要です。
免疫細胞療法を実施するクリニックとも相談してください。主治医と連絡をとってくれる場合もあります。
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Q |
副作用などはありませんか。 |
A |
副作用がないことはありませんが,多くの場合,副作用は見られません。見られたとしてもほとんどが,10%の患者に微熱が見られる程度で,多くが数時間以内で平熱にもどります。
免疫細胞療法はこのように抗がん剤のような副作用が見られない患者に優しい治療法であると言えます。
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Q |
費用はどれくらいかかるのでしょうか。 |
A |
免疫細胞療法は,現在公的に保険の適用は受けられず,自費治療となります。
費用は医療機関や治療法の種類よっても異なりますが,1回の治療費は20万〜30万程度で,通常6回程度を1コースとして行われることが多く,目安としては120万円〜240万円程度です。
高度先進医療としてこの治療法はまだ標準がん治療としては確立していないため,現在公的な保険の適用はできませんが,保険会社の保険を適用できる場合もあります。(次項参照)
高度先進医療として免疫細胞療法を行うことを認可された医療機関では,診察,検査などは保険の適用となり,民間よりは少ない費用ですが,免疫療法に直接関わる治療は自己負担となります。 |
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Q |
民間の損害保険などで利用できるものはありませんか。 |
A |
先進医療を承認された大学病院などで免疫療法を受ける場合は,その先進医療特約の適用を受けられる保険もありますので,詳しくは保険会社にお問い合わせください。
民間のクリニックなどでは,特定承認保健医療機関には当たらず,先進医療特約の適用にはなりません。
しかし,民間のクリニックでもセコム損害保険株式会社の「メディコム」という保険は,保険会社負担で自由診療の免疫細胞療法を受けられますので,お問い合わせください。 |
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Q |
どのようながんに適応できるのでしょうか。 |
A |
ほとんどのがんに適応できます。また,どのような病期でも治療の対象になりますが,患者の状態が良好な時にはじめたほうが良い結果が得られています。
また,脳腫瘍に関しても,脳関門があるといっても,病巣部の脳関門は正常に機能しているわけではないので,リンパ球の移動も可能であり,効果があると考えてよいでしょう。
ただし,脳腫瘍は手術や,ガンマナイフ,サイバーナイフなどの放射線治療でも良好な成績を収めており,免疫細胞療法はこれらを補助し,効果を高める治療法として利用したほうがよいでしょう。
例外として,白血病などは,免疫細胞であるT細胞ががん化しているため,治療の対象外となり,HIV陽性の患者も培養が困難なため,対象外となります。 |
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Q |
現在,入院中なのですが,免疫細胞療法を受けられますか。 |
A |
多くの治療機関では,入院中でも通院できれば治療は可能です。
入院していて,通院が困難な場合でも,病院の協力が可能なら,入院している病院で血液を採取し,ご家族の方などが免疫細胞療法を受ける病院へ運び,培養した後,リンパ球を入院している病院で患者に戻すということも可能です。
また,この治療をを適確に実施するためにも,患者のデータは必要であり,できれば主治医に紹介状を書いてもらい,診断データをもらったほうがよいでしょう。ただ,紹介状がなくとも治療は可能です。
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Q |
現在,免疫力を高める健康食品を摂取していますが,治療を受けられますか。 |
A |
免疫細胞療法を受ける方はアガリクスなどの健康食品を利用している場合も多く,併用しても問題になることはほとんどありません。
しかし,自然食品であるからといって安全とは限らず,治療に影響を与える場合もありますので,主治医や看護師などに服用の事実を伝えるようにしましょう。 |
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Q |
手術を受けた後の再発予防には有効ですか |
A |
手術で腫瘍を切除できたとしても,それはあくまで目に見える範囲のことであり,微少ながん細胞は残存し,後日再発するということはよくあることです。
この治療は再発予防には適した治療法と考えられます。それは目に見えないがん細胞でも免疫細胞が発見,殺傷してくれますし,手術でがん細胞の大部分が切除されているため,がん細胞に対し,数的にも有利になるので,効果を発揮しやすいと考えられるからです。
この治療により再発が100%防げるわけではありませんが,肝臓がんや肺がんではその有効性を証明した論文もあります。 |