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放射線や抗がん剤でも殺せないがん幹細胞
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このサイトの他のページでも解説していますが,放射線治療や抗がん剤治療はがん細胞が細胞分裂を行い増殖しようとしている時にのみ,がん細胞を死滅させることが可能です。
正常細胞も放射線や抗がん剤の影響を受けますが,それは一部の細胞であり,がん細胞の方が正常細胞より,細胞分裂が激しく,よりダメージを受けやすく,死滅しやすいといえます。
ところが,このがん幹細胞は細胞分裂を行わない静止期が長いため,これら放射線や抗がん剤の影響を受けにくく,生き残ることができるのです。
このがん幹細胞のもう一つの特徴は,活性酸素を中和する抗酸化能を備えているため,免疫細胞からの活性酸素の攻撃や,放射線照射で発生する活性酸素から身を守ることができるということです。
抗がん剤治療でがん細胞が見えなくなったといわれても,再発や転移はしばしば起こります。
がん幹細胞が発見されたことで,ほとんどのがん細胞が死滅しても,抗がん剤や放射線に耐えうる能力を持つ,がん幹細胞が生き残り,転移や再発を起こしていたのではないかと考えられるようになりました。
このがん幹細胞は静止期が長いといっても,時に細胞分裂をおこない,増殖することもあり,それが抗がん剤治療や放射線治療後のがん転移や再発の原因ともなっていた可能性が高いのです。
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