冬虫夏草
(トウチュウカソウ) |
冬虫夏草は滋養強壮薬として知られていますが,キノコの菌類が生きている昆虫に進入し,体内の養分を吸収して,体外に子実体として成長したものです。
免疫力増強や抗腫瘍効果の他にも抗炎症作用,血行促進,活性酸素抑制,コレステロールの低下,動脈硬化の予防,血圧降下作用など多くの薬効があります。 |
人参(ニンジン) |
薬用人参はチョウセンニンジンとも呼ばれるもので,新陳代謝を促進し,胃の衰弱を改善する効果があるといわれています。
人参多糖類には,肝臓を守り,免疫力を向上させることから,長期間の服用で,がんの発症率を下げ,腫瘍の成長を抑制することが確認されています。
さらには,血栓の溶解作用や,血行促進作用もあります。 |
黄蓍(オウギ) |
黄蓍はマメ科の植物キバナオウギの根で,免疫力を高める作用があり,免疫細胞の一種であるTリンパ球を強化することがわかっています。
また,ウイルスに対して細胞が分泌する蛋白であるインタ−フェロンの誘発を促進させ,ウイルスやがんの成長を抑制する作用もあります。 |
白朮(ビャクジュツ) |
キク科の白朮の根茎を精製したもので,特にがん治療に役立つ生薬といわれています。
効能としては,胃腸の状態を改善し,体力を増強するだけでなく,化学療法や放射線療法によって減少した白血球を増加させ,免疫力を増強させる作用があります。 |
赤霊芝(アカレイシ) |
霊芝は,サルノコシカケ科のマンネンダケであるキノコであり,その仲間の一種である赤霊芝は最も薬効が高いとされています。
赤霊芝のβグルカンは免疫力を増強させる多糖類ですが,その含有量はアガリクス茸の3〜6倍に達しています。
さらにはがんの新生血管の増殖を阻害し,血行改善作用による新陳代謝の改善,中性脂肪やコレステロ−ルの低下作用もあります。 |
山薬(サンヤク) |
山薬とは,ヤマノイモ科のナガイモの皮を除き根茎を乾燥した生薬で,アルファでんぷん,消化酵素アミラーゼ,ステロイドなどが含有されています。
特に,アミノ酸の一種であるアルギニンは内臓の強化と精力増強にも効果があるといわれています。
消化酵素アミラーゼは,消化を促進し,消化不良,食欲不振を改善します。
さらには口の渇きや下痢の改善作用もあります。
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党参(トウジン) |
党参はキキョウ科のつる性多年草であり,ツルニンジンとも呼ばれています。
血行促進,血圧降下作用があり,疲労回復,動悸,食欲不振,口の渇き,下痢などに効果を示します。
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珍珠(シンジュ) |
珍珠はウグイスガイ科やイシガイ科などの貝の中にできるもので,宝飾品の真珠(しんじゅ)と同じものです。
主要成分は炭酸カルシウムやアミノ酸など有機物の他,微量元素も含まれています。
効能は,抗アレルギ一作用,精神安定作用,新陳代謝促進作用,鎮痛・解熱作用などがあります。
その他にも,酸化物質 を除去する作用が認められ,がんの治療の効果を高めるとして使用されています。
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女貞子(ジョテイシ) |
女貞子は,モクセイ科のトウネズミモチの果実を使用した生薬です。
滋養強壮,強心,肝臓・腎臓機能の向上,利尿作用などがあるとされ,さらには免疫細胞であるリンパ球の増殖を促進し,抗腫瘍効果も確認されています。
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甘草(カンゾウ) |
マメ科カンゾウ属の根を乾燥したものを生薬として使用します。
主成分はグリチルリチンで,抗アレルギー,抗炎症,鎮痛,解毒,鎮咳などに効果があります。
グリチルリチン酸とその誘導体は,マウスの移植骨髄がんの抑制作用がることが報告されています。
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冰片(ヒョウヘン) |
冰片は龍脳香(リュウノコウ)科の樹木の樹脂中から精製されたもので,鎮痛,血流改善,抗炎症,細菌抑制作用などがあります。
また,強い浸透力により,他の生薬成分を腫瘍に誘導する作用もあります。
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天花粉(テンカフン) |
天花粉はウリ科つる性多年草であるトウカラスウリの根の生薬。
サポニン配糖体を含み,去痰作用や,排膿作用もあり,漢方の抗腫瘍成分として,特に肺がんや胃がんの治療薬のとしても処方されています。 |
威霊仙 (イレセン) |
威霊仙 はキンポウゲ科シナボタンヅルの根や茎を乾燥した生薬。
鎮痛薬として関節痛,関節リュウマチ,痛風。筋肉痛,腰痛などに効果があります。
また,利尿,除痰作用もあります。 |
白花蛇舌草
(ビャカジャゼツソウ) |
白花蛇舌草はアカネ科の一年草で,和名ではフタバムグラとよばれ,根を乾燥させた生薬です。
白花蛇舌草 は古くから感染症やがん治療,皮膚病などに使用されてきました。
血行を促進し,白血球やマクロファージなどの免疫細胞の機能増強することができます。
特に消化器系の腫瘍に対して効果があるとされています。
抗菌作用や抗炎症作用もあり,扁桃腺炎,気管支炎,咽喉炎などにも効果があります。 |
龍葵(リュウキ) |
龍葵はナス科のイヌホオズキを乾燥させた生薬。
ソラニンなどアルカロイド及びサポニンなどを含み,その薬理効果には抗炎症作用や抗腫瘍作用があります。
腹水がん,リンパ性白血病,肉腫などに顕著な効果が あるとされています。
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青黛(チンタイ) |
青黛の別名は瀝青(れきせい)ともいわれ, キツネノマゴ科のリュウキュウアイ,マメ科のタイワンマツナギ,アブラナ科のホソバタイセイなどの葉や茎に含まれる色素を使用したものです。
色素としてインジゴなどが含まれ,インジルビンは抗がん成分です。
また,免疫細胞であるマクロファージを活性化し,抗腫瘍効果を発揮します。
放射線や化学療法と併用することによる副作用の軽減効果が報告されています。 |
猪苓(チョレイ) |
猪苓は サルノコシカケ科のキノコのチョレイマイタケが地中につくる菌核であり,動物の糞に,似ており,猪苓とは猪の糞を意味
しています。
泌尿器疾患によく使用され,尿路に作用し,腫れを抑制し,利尿作用がある他,解熱作用もあります。
猪苓には,免疫細胞であるマクロファ−ジの貪食能力を高める作用があり,化学療法における免疫低下などの副作用を緩和する効果があります。 |
枸杞子(クコシ) |
枸杞子はナス科のクコまたはナガバクコの果実を乾燥した生薬です。
血圧や血糖の低下作用,抗脂肪肝作用による肝障害抑制作用などがあり,滋養・強壮薬としても使用されています。
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半枝蓮(ハンシレン) |
半枝蓮シソ科のスクテラリア・バルバータ(半枝蓮)を乾燥した生薬です。
フラボン類のスクテラレイン,スクテラリン,微量のアルカロイドを含み,解熱,解毒,鎮痛作用があるほか,白血病細胞抑制作用も報告されています。
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天南星
(テンナンショウ)
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天南星はサトイモ科テンナンショウ属の植物です。
色素としてインジゴなどが含まれ,インジルビンは抗がん成分です。
免疫細胞であるマクロファ−ジの貪食機能を高めるなど免疫力を向上させます。
慢性白血病の治療では,抗がん効果が数多く報告されています。 |
莪朮(ガジュツ) |
莪朮はショウガ科ウコン属のガジュツの根茎です。
昔から胃腸障害,消化不良,感染症などに使用されてきています。
腹痛や便秘,下痢に効果があり,血流改善作用もあります。
精油成分中にセスキテルペン類が多く含まれ,抗腫瘍効果や免疫力増強作用があり,中国ではがん治療薬として利用されています。
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